the second 〜永遠の恋人〜
『じゃあ少し行って来るね、気が変わったら携帯を鳴らして下さい。飛んできますから』

江里子の頬に軽くキスをして雄一郎が部屋を出て行く。

雄一郎の姿がドアの向こうに隠れてやっと江里子はベッドに腰を下ろし溜息をついた。

いったい何時までこんな生活が続くと言うのだろう。

たかが数ヶ月でこの有様だ。江里子にはとうてい一生を雄一郎に添い遂げる自信が無かった。

雄一郎には何の不満も無い。あるとすれば自分に対してだろう。

ゆっくりとベッドに仰向けになった江里子はもう一度下腹部に手を添えた。

(まだ目立たないわ…そうよね未だ8週だもの)

江里子の体内には確実に新しい命が芽生えているのだ。

しかし胎児に雄一郎の遺伝子が入っているかどうか…それは誰にも分からなかった。
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