the second 〜永遠の恋人〜
結婚前からの急変した生活に疲れきっていた江里子は豪邸での新生活に半ばノイローゼに陥った。

日中何もする事がないのだ。全ては家政婦が済ませてしまうので昼間からテレビを見るぐらいしかない。

趣味らしい趣味の無かった江里子は、ある日、気晴らしに独身時代の友人に誘われ映画を見に行った。

邦画の陳腐な恋愛物だったがそれなりに面白かった。

見終わってから渋谷で食事をして少しアルコールの入った江里子は、一緒に映画を見た友人の佳恵に誘われるがままに生まれて初めてクラブという場所に入った。

コンクリートが剥き出しの通路が入口になっている。

途中には様々なファッションに身を包んだ若い男達が無遠慮に江里子を見つめた。

耳をつんざく大音量に身を任せている内に一時的にではあるが嫌な事が脳裏から消えていく。
< 50 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop