the second 〜永遠の恋人〜
困惑するミサ子に構わず鬼頭はポケットから携帯電話を取り出すと番号を押した。
『さあ、かけましたよ』
一瞬の間をおいてミサ子のうしろ、ペンションの入口に通じてあるホールの電話が呼出し音を奏でる。
それを数回聞いた鬼頭は電話を切ってからニヤッと笑った。
『聞きましたね?奥さん。この電話番号はあなたの携帯ではない。ペンションの電話です。あなたは陣内多恵さんが殺害されたのとほぼ同時刻に電話をとってるんです。そしてあなたが事件の晩、寝ていたのは管理人室でもあるホールから二つ目の部屋…一つ隣は倉庫ですからね。間違いありませんか?』
『はい…で、でもだからと言って私が犯人を見たって事には…』
『そんな事を言ってるんじゃない。私が言いたいのは…つまり奥さんには吹雪が荒れくるってようとも聞こえたんですよ、電話の音が。あなたには聞こえたんだ。2枚の扉を隔てた電話の音が聞こえたのに、どうして事件の晩は吹雪がうるさくて何も聞こえなかったなんて言うんです?だったら怪しい物音はしなかった言えばいいのに、奥さんは吹雪がうるさくて何も聞こえなかったって言ったんですよ』
『さあ、かけましたよ』
一瞬の間をおいてミサ子のうしろ、ペンションの入口に通じてあるホールの電話が呼出し音を奏でる。
それを数回聞いた鬼頭は電話を切ってからニヤッと笑った。
『聞きましたね?奥さん。この電話番号はあなたの携帯ではない。ペンションの電話です。あなたは陣内多恵さんが殺害されたのとほぼ同時刻に電話をとってるんです。そしてあなたが事件の晩、寝ていたのは管理人室でもあるホールから二つ目の部屋…一つ隣は倉庫ですからね。間違いありませんか?』
『はい…で、でもだからと言って私が犯人を見たって事には…』
『そんな事を言ってるんじゃない。私が言いたいのは…つまり奥さんには吹雪が荒れくるってようとも聞こえたんですよ、電話の音が。あなたには聞こえたんだ。2枚の扉を隔てた電話の音が聞こえたのに、どうして事件の晩は吹雪がうるさくて何も聞こえなかったなんて言うんです?だったら怪しい物音はしなかった言えばいいのに、奥さんは吹雪がうるさくて何も聞こえなかったって言ったんですよ』