恐怖館
【日記】
この日記を読んでいる僕へ。
始めに、このノートの存在は決して他人には知られないこと。
さりげなく、僕だけが目に入る場所に置いておくこと。
君はまだ頭を交換されていない、この日記の存在も知らない状態だろう。
だけどこの日記は確かに君が、僕が書いたモノで君は今まで何度も頭を交換されている。
だけど頭を交換された記憶や、新しい頭がついた瞬間の記憶は曖昧じゃないだろうか
君は記憶や思考を持つのは頭なのか体なのか、考えてみたことはあるかい?
明日、新しい顔になった僕はこの日記を覚えてるだろうか。
アンパンマン「なんなんだこの日記は……?」
僕は自分の字で書かれた、しかし書いた覚えのない文章に段々と引き込まれていった
アンパンマン「確かに新しい顔になった瞬間なんて、深く意識したことはないけれど……」
僕は今まで幾度となく顔を交換されてきた
だけどそれは当たり前のことで、記憶や思考がどうのなんてことは、考えもしなかった。
僕は日記を読み進んだ。
何日か何週間か、それとも何年もかかって書いたものなのか、
僕、は日記を書いていた。