Black×WhiteⅠ
「ねぇ、美羽?」
「………」
「海斗…大丈夫かなぁ?」
海斗とは私の幼馴染みで…莉奈の彼氏。
海斗は今、病院に居る。
一ヶ月前から意識を取り戻していない。
「もし海斗が目を覚ました時に、傍に居ないなんて…彼女失格だね」
涙ぐみながら話す莉奈に、なんて声をかければ良いのか解らなかった。
今、私達は海斗達とは…遠く離れた場所に居る。
「ごめんっ!ウジウジすんのはあたしらしくないね!!この話は辞めたっ」
無理もない。
本当なら傍で支えていたかったのに、一緒に居てはいけない状況になってしまったんだから。
自分自身に言い聞かせるようにして立ち上がった莉奈に大丈夫、の意味を込めて莉奈の頭を撫でた。
「クスッ…ありがと」
莉奈も意味が解ったのか、いつもの笑顔を見せてくれた。