ホントの初恋
その夜。
家に帰った私は布団の中にずっといた。
負けて良かったと思った自分が嫌で。

プルル♪プルル♪

携帯が鳴った。

「もしもし。」

「俺だけど…」

晴希からの電話だった。

晴希は携帯を持っていない。
だから家から掛けているんだろう。

番号は修学旅行から帰ってきてからすぐ渡した。

でも毎日毎日待っても待ってもかかってくることはなかった。

「うん。」
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