*桜色の想い出*
先輩が病院から出て来るまでの間
あたしは外の柱に凭れかかって待っていた。
「日吉ー」
「あ、先輩・・・」
「じゃ、行くか!」
先輩の後を引かれる様にあたしは付いて行く。
先輩、中学の頃より身長伸びてるなー・・・。
「妹、ココの病院でずっと入院してたんだ」
先輩が急に喋りだすから心臓がドキッとした。
「・・・え」
「日吉と同い年」
「そ・・・なんですか」
全然知らなかった・・・。
「うん、ライラックの花が好きだった」
「へぇ・・・」
だからライラックの花束だったんだ。
「先輩・・・」
「ん?」
先輩が少し淋しそうに、悲しそうに
微笑んで返事をした。
「───・・・ッ」
「何で日吉がそんな顔すんだよ?」
前にもこんな事、言われた・・・。
怜桜に・・・。
「日吉は昔から優しいよな・・・」
「先輩、それ嘘でしょ・・・」
あたしの事なんて、見ても居なかったくせに。
「え、何で?本当だよ?」
「だって俺・・・日吉の事、好きだったし」
「いつの間にか目で追ってたんだよ・・・」
不意打ちな
告白──・・・。