*桜色の想い出*
「───・・・」
何・・・?
え・・・?
先輩があたしの事を好き・・・?
「大丈夫、前の話だから」
「何固まってんだよ?引くなよー」
先輩は笑いながら言うけど、
あたしはちょっと前までの夢が叶ったトコ。
現実に頭が着いて行かない。
「先輩・・・」
「だからー引くなって・・・!」
「そーじゃなくて!」
「あたしもずっと先輩の事、好きでした」
「え・・・っ!?」
「でもあたしも過去形です」
「・・・・」
先輩、あたしは先輩がいたから
初恋を知れたんだよ。
カッコよくて、どんな仕草にも
ときめいて──・・・。
「大好きでした───・・・ッ!」
「日吉・・・」
初恋の終わりは、花火が咲いて、
そして散った時の様に儚かった。
「日吉、あの・・・」
「何ですか・・・?」
「また逢ったら声かけてな!」
「・・・、はいっ!」
そしてあたし達はそのまま違う道を
歩き出した──・・・。