*桜色の想い出*

+花恋

花恋*/

side*/美和
─過去─

『お前、自分の身体分かってんのか!?』

怜桜はあたしの腕を
掴み放さない。


『分かってるよそんな事!』
『それに怜桜に言われたくない!』


思っても無い事を言ってしまう。


それがあたし、斉藤美和。

昔から素直になれないのがあたしの短所。

でも怜桜はそんなあたしをいつも
優しく受け入れてくれる。


『──・・・ッ!?勝手にしろ!』

『勝手にするよ・・・ッ』


素直になりたいよ───・・・。
怜桜、お願い見捨てないで。
あたしを置いて行かないで。

怜桜が去って行くのを見てあたしはそう思う。


でも引き止められない。
素直に謝れない。
嫌なあたし。


喧嘩の切欠は些細な事。

"怜桜、ゴメンね・・・?"


本当はこの言葉が言いたかったか。


『あ、言うのが無理なら手紙で・・・!』


あたしは突然の思い付きで
怜桜に謝罪と感謝の手紙を書く事にした。
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