*桜色の想い出*
─翌日─

一睡も出来なくて目が重い。

そして、自分から
怜桜の病室に行く事は無かった。


と言うより、行くのが怖かった。


頭には予期せぬ考えばかりが浮かぶ。



─コンコンッ─


すると、病室のドアが鳴る。


「はい・・・」


ドアの向こう側に居るのは怜桜であって欲しい。


胸に小さな期待を膨らませる。


─ガラッ─


ドアが開く。


そこに立っていたのは、
怜桜では無く
あたしのお母さんだった。


「───・・・」

「咲綺・・・?」

「ん、何・・・?」

「元橋さんの事なんだけど・・・」


胸騒ぎが止まない。
嫌な予感がする。

心臓はぎゅっと締め付けられる。











「昨晩、亡くなったそうよ・・・」



嫌な予感が
的中した───・・・。
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