《短》狼の中の狼


語尾を伸ばした甘ったるい声に、明らかに不愉快そうな顔をする悠太。


「テメェみたいな女相手に、誰が照れるか。調子に乗るな。」


そこまで言われて、ようやく引き下がった女の子に、安堵の溜め息が漏れる。

これも、いつもの日常。

そして。


「悠太ー!」


また来た。


「……悠太。私先帰るね。」

「真希っ!?」


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