あの夏の君へ
「亜樹、おはよ」
「…あ、おはよ」
「照れてんなよ…」
「照れてないし!!」
「照れんのやめて。俺まで照れるし!!」
そう言って、席に着く荻。
昨日、彼氏ができました。
教室はいつもと同じように、ざわめいています。
空にはいつもと同じように、太陽がのぼり、夜には月が現れてます。
それでも昨日とは違う今日がありました。
彼の背中がいつもと違って見えた。
彼の制服姿も、立ち姿も、横顔も。
全てが輝いていた。