あの夏の君へ
「おはよ…」
「あいつと付き合ったん?」
「うん」
「俺のおかげやな」
「…うん。新井田には感謝してるねんで」
あなたには感謝してる。
あなたがいなかったら、私たちはいなかった。
「亜樹ちゃん…」
「なに?」
「ごめん。やっぱり俺の気持ちも抑えられへんわ」
新井田の眉が下がった。
なのに無理やり笑顔を見せる彼。
見ていられなくて、下を向いた。
「……」
「好きやねん…」
一歩ずつ近づいてくる彼。
私は後ずさりする。