あの夏の君へ





荻はまだ完治してないけど、一ヶ月も経てば松葉づえなしで生活していた。

それになんやかんや練習にも参加している。

参加してるって言うか、ひとり別でリハビリをしているって感じ。

早く野球がしたいっていつも言ってた。


荻が報われることを誰よりも願ってる。

「亜樹〜」

「お疲れ〜」

「今日泊まってく?」

「うん♪」

「早よぉ帰ろ〜腹減った〜」

お前を待ってたんじゃい。

お前が遅かったんやろ。

私やってお腹空いてるっつーの。

「自転車取りに行くし、門で待っといて」

「はいはい」

自分勝手か。

ひとりでつっこんだりしてみる。





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