あの夏の君へ





荻ママはナイスフォローをした後、そそくさと夕飯の用意をするためにリビングへ入っていった。

玄関で上半身裸の荻は渋々荷物を持って二階に上がろうとする。

「荻…ごめん」

「良いし。さっさと上がってこいよ?」

「何なら一緒に入る?」

「ざけんな」


ですよね。

まあ、私は荻の一番風呂を取ったりしませんから。

浸かりませんから、ご安心を。




お風呂場は荻の匂いがした。

荻は丸坊主のくせによくシャンプーの良い香りがする。


荻は何気に綺麗好き。


荻の前世はきっと女の子のような気がする。






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