あの夏の君へ
お風呂から上がって、脱衣所で服に着替えた。
いつ泊まっても良いようにって、制服とか私服とかは荻の家に置かせてもらっていた。
「荻〜出たし、入ってな〜」
二階に聞こえるような大きな声で言ってみた。
しかし荻は返事すら、現れもしなかった。
「も〜無視?」
渋々、二階に上がり、荻の部屋に入った。
「荻ぃー」
「…ん〜…」
荻は上半身裸のまま、ベッドに倒れ込んでいた。
まだ半寝らしく、返事を返している。