あの夏の君へ
「亜樹」
「ん?」
「俺もむちゃくちゃ好きです。付き合ってくれて本間にありがとう」
涙が溢れ落ちた。
「荻〜」
「本間に好きやで」
彼が涙を拭ってくれた。
私たちは確かに今を生きている。
「今日は同じ布団で寝よな?」
「別々やないん?」
「何で別々にせなあかんねん」
「やって今まで別々やったし」
「もう付き合って一ヶ月やん。一緒に寝たいし、近くにいたいやん!!」
そう言う彼はまるで子供のようで、けれど体は男の人で、ギャップの違いにキュンとした。
「荻、好き」
「うん。俺も」
私たちは起き上がって、壁にもたれ掛かる。
「キスしても良い?」
「うん」
どちらともなく、互いの指が絡み合った。