あの夏の君へ
噂と真実
あの日から、私達の間は前より縮まった。
不満は言うし、言ってくれる。
寂しいなら、側に。
楽しいなら、もっと一緒に。
日に日に付き合っていることを知られ、男子からは荻がどれくらい想ってくれていたのかを、女子からは祝福の言葉をもらった。
きっとこの頃が幸せの絶頂のような気がした。
「亜樹、おはよ」
「おはよ〜」
時々思うことがある。
私達が幸せな分、誰かは不幸なんやないんかなって。
私達が笑っている分、どこかで泣いている人がいるんやないんかなって。
そう思うんは私だけなんやろうか。