あの夏の君へ
頭を鈍器のような物で殴られた気分やった。
くらくらして、その場に倒れ込みそうになるほど…。
「亜樹、二人と仲良いから知ってると思ってたわ…」
予令のチャイムが鳴る。
「じゃあね」
明美はそう言って、教室から出ていった。
「亜樹!!」
私の様子を察知した荻は駆け寄ってきてくれた。
「どした?顔死んでる」
「ごめん。考え事したい…」
「お前…泣いてる?」
荻の目が私を見ている。
私は机の上に顔を伏せた。
何も考えられない。
上手く息が出来ない。
苦しくて堪らなかった。