あの夏の君へ
「亜樹ちゃん、出来たよ〜」
荻ママのその声と共にキッチンへ向かう。
「やった♪」
「はい。これで机拭いてな」
“家族に敬語使う家族みたいやな、お前”
荻が数ヶ月前に言った。
まさにそうだと、みんなで笑った。
家族やったら良かったのになって時々思う。
「亜樹ちゃん今日泊まってく?」
「うん。多分」
「陽向の部屋汚いけど、独占してくれて良いしね」
「は〜い♪」
私は好物のちゃんぽんを頬張った。
美味しくただきました。