あの夏の君へ





「俺は亜樹ちゃんに想い伝えたやん?振られるって形になったけど…。で次の日くらいに亜樹ちゃんが荻と付き合ったやろ?俺、あれ結構キツくてさ。真面目に病んだ。本間に好きやってんもん…」

時々、相づちを打つ。

次第に彼は頭を抱えだした。

「茜、慰めてくれてな。それが気持ち良くて、亜樹ちゃんやったらなあ…って思ってたら……気づいたら抱いてた…。亜樹ちゃんに…重ねてた」

彼は言った。

気持ちなんて無かったし、後先も考えなかったと。


終わった後に虚しさと罪悪感に襲われて、その場を飛び出したと。




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