あの夏の君へ





「じゃあね、新井田」

「ありがと。亜樹ちゃん」

新井田は駅まで送ってくれた。



私は何が出来ただろう。

空を見上げながら、自分に問いかけた。

「……荻ぃ…」

今、無性にあなたに会いたいです。

夕焼けが眩しい。

あなたが頑張っているように、この空のどこかで頑張っている人いるよ。



ふと携帯を開けると、新着メールが二件来ていた。

相手は二つとも荻だった。


【今日、夜からでも良いし、会えん?】


その数時間後に。


【会いたい!!】


笑みが零れた。




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