あの夏の君へ
「今日は電話しよや。話したいこといっぱいあるねん。会って話すより、ドキドキせん?」
『え〜電話かよお〜』
そんな言葉すらも、愛おしかった。
だけど、二駅すらも遠いねん。
毎日練習を頑張っているあんたにしんどい思いをさせたくなかってん。
ありがとう、私は幸せものやったよ。
『今日な〜監督に誉められてな〜』
やっぱり良いことあったんや。
荻は顔にも、声にも出るからよう分かるわ。
「荻」
『ん』
「好きやで」
『おぉ。俺もやで』
この気持ちはいつまでも続くのでしょうか。
永遠とは果たして存在するのでしょうか。
私たちはいつから真っ直ぐの道をお互いに歩み間違えていたのでしょう。