あの夏の君へ
ご馳走さまをした私は食器をキッチンへ持っていき、庭に出た。
庭から聞こえてくる犬の鳴き声にいても立ってもいられない。
「ケン♪久しぶり〜♪」
愛くるしい表情のケンの頭を何度も撫でた。
「荻ん家は男の子のばっかりやね」
そんな事を感じながら、三月の空を見上げた。
「あ。ミルクティー飲みたくなった…」
私の声が聞こえてるかのように、ケンが返事を返してくる。
「散歩行こかー。二人じゃ怖いし、荻も連れて行こね」
ケンのシッポがフリフリしてた。
楽しみやね。