あの夏の君へ
「あいつと上手くいかんくなって別れたら、いつでもきいや」
彼は私の頭を掻き乱した。
「絶対別れへんし…」
「じゃあね、亜樹ちゃん」
そう言って彼は私の前から消えた。
「亜樹…」
明美がその後すぐに駆け寄ってきてくれて、私の背中を何度も撫でてくれた。
「新井田…今日学校に退学届けだすんやって」
「そうなんや…」
「本間にバカやわぁ〜…」
後先考えずに自分の気持ちだけで、あんな行為をした。
しかも相手は好きでも何でもない人。
彼に試練があって当然やわ。
これから苦難があって当たり前やわ。