あの夏の君へ





長谷部君が私を睨み付けているように見えた。

腕組みしながら、丸坊主の頭を掻いた。

「俺から見て、亜樹氏は重荷。別れるなら別れるってはっきりしてやって。情けないあいつは見たくない。振り回さないでやって」

長谷部君が私のお弁当からウインナーを奪って、自分の口に放り込んだ。

「キツいこと言うようやけど、俺らは甲子園狙ってる身やしな」

グサグサと突き刺さる言葉たち。

「他の男と遊んでんのんやろ?部活忙しいあいつのことも考えてやってや。少ない時間でも亜樹氏といたいから時間裂くあいつの身にもなってやりや」

長谷部君はそう言い残すと、教室から出ていった。





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