あの夏の君へ





「何してるん?」

「あ、荻」

後ろにあった窓が開いて、にょきっと荻の顔だけが現れた。

「コンビニ行こ!!ケンの散歩ついでに」

「お〜分かった。待っといてな」

そう言って荻が窓を閉めた。

近くにあった散歩セットを持って、玄関を出た。

「散歩やって。良かったなぁ」

嬉しそうに舌を出すケンを見て、なんだかこっちまで嬉しくなった。





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