あの夏の君へ





グサッと一直線に私の胸へ突き刺さった言葉。

耐えられずに、呻き声をあげた。

「何で!?何でそうなるんよ!?」

ただ元に戻りたいだけやねん。

始まりに戻りたいだけやねん。

喧嘩したいわけちゃうねん。

離れたいんやないねん。

『多分、俺が引退するまで…多分、俺、お前のこと構ってあげられへん…』

「だからって…何で別れなあかんの!?何でそうなるんよ!!」

『ずっと……。ずっと一人にさして、また泣いて、苦しい思いさせるんが嫌やからやんけッ!!もう泣かせたくないねん!!』

荻…。

荻…。

それでも別れるんはやっぱり嫌や……。





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