あの夏の君へ





久しぶりの新学期。

初日は式と大掃除が終われば帰っても良い。

だからほとんどの子は来ない。

スカスカの体育館。

男女名簿一列で並ぶから、余計に君の背中がはっきり視界に入ってきた。

丸坊主の男。

私の好きな人。

その距離があまりにも遠すぎて、また涙が出た。

君の背中に好きだよ、と送り続けた。

一度も後ろを振り向かない。




私たち、ホントに別れてんな。






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