あの夏の君へ






「あの子になんか言われたん?亜樹…」

涙が止まらへん。

好きや、荻…。

謝りたいこと沢山ある。

「明美………」

「なに?」

「荻が……荻が…好き」

「…うん……」

「傷つけてばっかでごめん……。苦しませてばかりでごめんな。辛い思いばかりさせてごめん……。でも荻が好き……荻が好きやぁ」

幼かったのは私だけやった。

「明美ぃ…」

「…亜樹…」

ギュって、明美が抱き締めてくれる。

「亜樹、鼻水出てるで…」


荻…荻…。

好きやねん。






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