あの夏の君へ





長谷部くんが最後にしてくれた話。






荻が電話を一方的に切ったときの話だった。


あの時、荻は泣いてたんやって。


だからその声を聞かれる前に電話を切ったそうだ。

亜樹のことやから気にしてるやろうなぁって言うてたらしい。

長谷部は口が軽いからあんまり大事な話はすんなよって昔、荻が言ってたんを思い出した。

一番頼りにして話し込んでるんは荻やん。


「荻ぃ…」


まだ好きでいても良い?









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