あの夏の君へ
その後、またバンに乗って火葬場へ向かった。
「陽向…生まれ変わったら幸せにやれよ」
「また友達なろな?」
みんなが悲しみに暮れるように。
最後の言葉を彼に言って、棺おけから離れていく。
今まで見てきた荻の顔が何度も何度も頭を駆け巡った。
「亜樹氏…」
「…」
「ちゃんと見て…」
「嫌や…」
「これで最後やねんで?」
「嫌やっ!!嫌やぁ…」
みんながお別れを言ってる。
私もそっちに行きたいねん…。
帰ってきてや…。