あの夏の君へ





最後にお経が唱えられる。

泣きながら、耳を塞いだ。

棺おけが暗い闇へと入っていく。


「陽向あぁぁ!!陽向あぁぁあ!!」


荻のお母さんが泣き叫んでいた。

見ていた私も同じように泣き叫んだ。

「行かんといて!!なぁ!!行かんといてよー!!!!」



私たちの言葉は届くこともなく、扉は閉まり、あなたは炎の中へ…。






私は大好きだった人をその日、本当に失った。









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