あの夏の君へ





「写真は皆のものやから。買ったらみんな見れるから」

「五百円するって担任言うとったやん」

「えっ!!高っ…」

「五百円もするならお前いらん言うやろ??ケチやし」

ケチは余計や。

って言いたい所やけど、実際ケチやし…。

言い返せへん。

「まあいらんけど」

「やろ。言うと思ったわ」

何でも見抜かれている。

腹が立つ。

「…」

「どしたん?」

「なんでもない!!」

「何怒ってんの?」

「怒ってないし」

調子が狂う。

フルーツオレを再び飲みだす荻を横目で睨んだ。

「何?」

「そんなフルーツオレばっか飲んでさ…いつかアレルギー出て一生飲めんくなれば良いよ!!ふんっ」

「ぶっ…!!ふんって子供か」





< 32 / 278 >

この作品をシェア

pagetop