あの夏の君へ
風もきもちいし、景色の眺めも良いし、言うことなしだった。
「ねぇねぇ…」
「ん?」
声がする方を見ると、綺麗な顔の女の子がいた。
「亜樹ちゃんやんね?」
「うん」
「私、茜って言うんやけど…隣の席やし、仲良くしてな♪」
「あ、うん♪よろしく〜」
ニコニコした彼女はそれだけを言うと、席に座った。
これといって、気にも止めなかった。
「亜樹窓側かよ!?」
「えへ」
「良いなぁ…席替わってや」
「無理!!嫌!!不可能!!」
「お前言い過ぎやろ…。傷ついた〜」
「しーらんぺっ!!」
ただ何気ないいつもの会話。
ずっと続くとおもっとった。