あの夏の君へ
「荻ぃ。起きてや、荻」
ゆさゆさ体を揺らして、彼を起こす。
疲れているのか、なかなか起きない。
「もう…放ってく」
「!!!!」
嫌みっぽく呟くと、彼は勢いよく起き上がった。
「今…犬飼ってた夢見た…」
「は?荻ん家ケンおるやん」
「ちゃうちゃう…お前が…」
「寝ぼけてるだけやわ」
駅の近くにあるいつも二人で行くコンビニに寄った。
「何やねん」
「へへっ!」
ミルクティーを荻の持っているカゴに突っ込む。
荻はフルーツオレを入れていた。
「げ。またフルーツオレ?」
「お前やってミルクティー買っとるやんけ」
「やって好きやもん」
「俺も好きやの。愛してんの」
「アイラブ?」
「イエスラブ」
まぁ、私もミルクティー愛してるどね。