あの夏の君へ
適当にお菓子を買って、誕生日やからフルーツオレは私が買ってあげて、荻の家に着いたのは七時半頃。
主役がいないのにも関わらず、家の中は盛り上がっていた。
「あ、陽向ぁ。おかえり〜。遅かったやん」
「荻おめでと〜お前遅いから先食ってたわ〜」
「荻〜ハピバ〜」
荻〜荻〜…。
って。
みんな軽い。
ほとんどが一年の時、同じクラスで荻と仲が良かった子達だった。
他は野球部の子がちらほら。
女の子もそれなりにいた。
打ち上げって言うか、パーティーやん。
「あ。亜樹ちゃん」
「あー…茜ちゃん」
「亜樹ちゃんも来てたんや♪」
「うん」
女の子の中には茜もいた。
可愛らしい格好。
念入りにオシャレしてきたんやと誰が見ても分かった。
まぁ、私もオシャレやけど。