あの夏の君へ





それから一緒に空見たり、お菓子あげたり、遊んだりした。

ミルクティーがひんやり冷たい。

「お前は幸せ者やな〜」

ふと出てきた。

中庭をうろうろしながら草の匂いを嗅いでいる。

犬って何を考えてるんやろ。



ガラガラ…。



後ろの窓が開いた。

「やっぱりここにおったか」

荻が顔を出した。

「ケンと二人っきりやったのに〜良い感じやったのに〜」

「うっさい。探した」

「ご苦労様やな。みんなは?」

「女は結構帰った」

「まだおる子いるん?」

「あぁ。茜とか」






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