あの夏の君へ





茜ちゃん…。

可愛いくて、おっとりしてる。



あ、当てはまってるやん。

荻の好きなタイプに。

でも茜ちゃんは計算高そう。

女はそういうもんか。

「亜樹はプレゼントないん?」

「うわ、図々し。渡すまで待ちなよ」

「もう言ってもうた」

フルーツオレを一口飲む荻。

ポケットから“プレゼント”を出した。

「どうぞ」

「…え…何これ…」

「プレゼントです♪」

「あはははははっ」

私が渡したプレゼント。

私が作ったプレゼント。



“絶対作ります、あげます、連れてきます、行きます、探します券、五枚入り”





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