あの夏の君へ





嬉しそうに一枚一枚目を通す荻。

時に笑い、時に不思議な顔をした。

「最後の可愛くて、おっとりしてる子探しますって何?」

「荻、昔言ってたやん。好きなタイプは可愛くて、おっとりしてる子やあって」

「えっ…そんなん言うた?」

「言うたやん」

「…」

うわ…照れてる。

やっぱりその顔は素直に喜べへんわ。

自分もその顔をしてるなんて考えたら、いても立ってもいられへんかった。





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