あの夏の君へ
「どしたん?」
荻の態度がおかしくて、笑ってしまった。
「何にも」
素っ気ない態度で携帯を弄り始める荻。
ムカついたから、無視した。
「はっくしょん!!」
「わぁ!!最低やな」
「いてっ」
こっちに向かってくしゃみをしてくる新井田の頭を叩いた。
「へっくしょん!!」
「も〜!!こっち向いてくしゃみしやんとって!!きしょいねん」
バシバシと彼の背中を叩く。
何なん、こいつの性格…。
「新井田くん。次、実験室らしいよ〜♪一緒に行こや」
数人の女子が教室のドアの所で待っていた。
「亜樹ちゃん、次移動らしいからまた後でね〜♪」
「もうくんな」