あの夏の君へ
「ただいま〜」
「おじゃましマンモス」
「お前古いねん」
玄関でローファーを脱ぐ私。
玄関の近くにあるトイレのドアが開いた。
「あ、兄ちゃんおかえり…って…亜樹ちゃんやん!!」
「広太や。久しぶり〜♪」
広太とは荻の二つ下の荻の弟。
中学二年生。
私の事がお気に入りらしい。
「今日泊まるやんな!な?」
私がいつも荻の家に行ったら、泊まることが当たり前みたいになってる。
みんなは嫌な顔ひとつしないで、毎回泊まらせてくれる。
普通に荻の部屋で寝てるし、荻ママも“亜樹ちゃんやったら信用あるし”そう言って部屋で寝かせてくれる。
ありがたやありがたや。