あの夏の君へ
顔色が悪くなっているのが自分でも分かった。
荻に近づき、話しかける。
「荻!?」
「…あ…亜樹…」
「どしたん?怪我したん??」
肩を持っていた人の一人が、私の言葉に返事をする。
「こいつさっき足首捻ってん」
「……荻…」
「大丈夫!!大丈夫やから!!お前は気にしんで良いし!!」
荻の顔は少し引きつっていた。
痛いんやんか…。
「今日…一緒に帰れんの?」
「あ〜…。今日は無理やわぁ…。今から病院行かなあかんしな。待たせとったのに…本間にごめんな…」
申し訳なさそうに呟いた。
私は「分かった」とだけ言い、その場を離れた。