あの夏の君へ
それだけの事なのかもしれない。
「仕方ないやろ…」
黙って荻を見つめていたら、何を思ったのか、私の頭に荻が手を置いた。
月日は私たちの思いすら待たずに、いつものように過ぎていく。
いつものように朝になると太陽はのぼり、夜になると月が現れて。
今日も何もなかったかのように、平然と世界を照らす。
太陽と月が。
あなた達は私たちをどの様に空から見ていましたか?
私たちが送っていたあの頃の日常も、私たちにとっては青春のひとつだったんです。