あの夏の君へ
怖かった。
“特別”が。
特別になるかもしれん自分が。
これからの関係が。
怖かったから、一歩も前に進めなかった。
立ち止まったら、このままの関係が続くんかなって思っててん。
それで思った通り、関係はそのままになった。
それが私にとっての幸せやと、心から思えた。
そこまで笑わず、そこまで泣かず…。
最大限の幸せやと思わん?
「恐いねん…。いつか別れが来るんやと思ったら…あいつとは一生一緒に笑ってたいねん…」
臆病だと言ってくれて良い。
初めて誰かを想って泣いた。
今までやってそれなりの人と付き合ってきた。
キスもした。
抱き締めることも。