コスプレ少年×少女(仮)


ガタン


観覧車の機体が揺れ、あたしたちはバランスを崩した。


あたしが座っていた所に揺れで座らされ、逆に凛があたしに覆い被さるように立っていた。


完全に逆になった。


窓に頭を打ちつけた衝撃で、さっちゃんたちのことを思いだし、後ろを向いて観覧車をのぞいた。

「・・・こっち向けよ彩華」


「嫌」


「向けって」


「嫌。さっちゃんたちが見えないじゃない」


「・・・は?」


「あたし見たのよ。凛の熱確かめた時、偶然2人がてっぺんでキスしてるとこ!やっぱり恋人なんだ・・・友達じゃないんだ・・・今もいちゃいちゃしてるし。ホントに凛の兄さん浮気とかしない?一途?遊びか探り入れようかな・・・」


「兄キ家には女連れてきたことないし、女の影も一切なかったよ」


「・・・自分の目で確かめるためにお兄さん尾行しようかな・・・」


「何でそこまですんだよ。お前の姉ちゃんの問題じゃん。まあ俺の兄キが相手だしあながち無関係じゃないから本気じゃないと困るけどさ」


「さっちゃんを傷つける奴は誰であろうと許さない」


・・・。


「お疲れ様でした。足元にお気をつけて下さい」

あたしたちは無言で観覧車から降りて、それからも少し無言だった。


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