コスプレ少年×少女(仮)
合宿
「彩華大丈夫?」
「うん・・・」
今は合宿に向かうバスの中。
妃菜には次の日事情を全て話した。
そしてそんな状況になって数学できなかったのは鏡夜のせいだと言って、あたしに勉強を教えるよう鏡夜に言ってくれた。
妃菜にその後どうなったかからかったら頭をイヤーん!と叫びながら叩かれた。
テストはなんとかなったけど、凛とはあれからひと言も話していない。
凛の答えを聞くのがコワかったから、あたしからも何も言わなかった。
もしあたしの前の凛が演技だった、なんて言われたら・・・。
はぁ、溜め息しか出てこない。
あの時お兄さんが邪魔したから!
せっかく言ってくれそうだったのにー
「ただいま!凛、彩華ちゃんに手出してないだろうな・・・って彩華ちゃんが襲ってる!?」
「ち違います!」
あたしはすぐ離れようとしたが、腕をがっちり凛に捕まれたままで立てなかった。
あたしとお兄さんは凛を静かに見つめた。
「・・・ごめん」
そう言うと、あたしの腕から手を離し、立ち上がり部屋を出て行った。
「・・・お兄さん早かったですね帰るの」
「・・・家に彩華ちゃんと凛が2人っきりって聡美に言ったら、何かあってからじゃ遅いって怒鳴られて、帰された」
「・・・ゆっくり帰って来てくれて構いませんのに。これで私は失礼いたします」
急に喋り方が変わって驚いたのか、あたしが部屋を出てもバイバイも何もなかった。
もう少し、あと5秒でも遅かったら!
ちょっとイラっときて、気づいたらお嬢様を演じていた。