雨のち晴れ。
pppppp.......

家の電話がなった。
出ないと可笑しいよね。
「...はい」
『梅崎さんのお宅でしょうか』
声は、聞いた事がない。
誰なんだろうか...
「そうですが...」
『北海道警察署の井之上です』
「はぁ」
やっぱり事故の事なのかな。
『梅崎伊吹さんで間違いありませんか?』
「はい...」
『ご遺体の確認で.....』
そこからは、話が長かった。
遺体の確認。
お葬式について。
これからの生活は、また今度。

頭がついていかない。
家族が...いなくなった?
私の北海道行きは、試合の日と重なった。
明日、井之上さんが空港に
迎えに来てくれるんだって。
私は、一人で北海道へ...
もし、私が試合があるから___と
断っていなければ、私も死んでたの?
どうして...
どうして私をほって行くの...
ねぇ、誰か答えてよ...
「わぁぁぁぁ」
我慢していた涙がドッと溢れ出る。
もう、みんな家に笑顔で帰ってくる事はないの?
私、一人になったの?

神様...
どうして、私から大切なものを
奪うんですか?
どうして、私も一人にするんですか?
教えてよ...
教えてよぉ。

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