雨のち晴れ。
「じゃあ、俺送ってくるわ」
大澤さんは、靴を履きドアを開け始めた。
「えぇ~!!いいですって!!
 家、すぐそこなんで」
すぐっていっても、ここからだと
20分はかかるだろうけど。
「伊吹ちゃん。
 ここは、送ってもらっといた方がいいよ。
 後で、一樹があたしに殴られるから、ね?」
亜花梨さん...
笑顔が怖いです。
大澤さんは、顔が引き攣っていた。
「じ...じゃあ、送ってもらおうかな...」
遠慮がちに言ってみた。
大澤さんが、安心した顔になった。
「亜花梨、行ってくるわな」
「襲ったりしたら離婚やからね」
冗談に聞こえるけど、亜花梨さんは
本気みたいだった。
まぁ、襲われる事なんてないけどね。
「襲わんて!!」
「はいはい。
 じゃあね、伊吹ちゃん」
手を振る亜花梨さん。
「はい、お邪魔しました」
一礼して、家を出た。

「今日は、大変やったなぁ」
不意に大澤さんが、呟いた。
「運命...かな」
私は、大澤さん達と会った事は
運命なんじゃないかな?なんて
考えていた。


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