猫かぶりな君。
…よし。
ドアに手をかけた刹那。
「あーぁ…どーすんだよ、このマフィン…」
隆也くんは貰ったマフィンを1個の袋にまとめていた。
「…さすがにここに捨てたらヤバいし…どっかに捨てるとこねぇかな」
…え。
捨てる?
ホントに隆也くん…!?
…もしかしたら見間違えたのかも……
気付かれないようなドアの窓から見る。
髪の毛は淡い茶色に金が混ざった色合いでウルフカットで無造作に遊ばれている。
声はいつもより低いが間違いなく隆也くんの声だった。
…どういうこと?